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2003年読書日記

本が読みたい、でも、読む時間がない、というジレンマがここ9年ほど続いている。読みたい本はほとんど積読状態なんだけど、通勤途中のバスやら、寝る前のわずかな時間をさいて読んでいる本のことを書いておきたい。ついでにと言っては何だけれど、本を元にした映画作品なのことも書いていきたいと思う。

2003年12月3日

Artemis Fowl - The Eternity Code Eoin Colfer 著 読了。2巻より続けて読んだ。マンネリ化してきた部分もあったが、まだまだ読めた。その後、ファンタジー路線より少しはずれて、 Chocolat Joanne Harris 著 を読んでいる。フランスの田舎町に引っ越してきて、チョコレート屋を開く母子の話なんだが、映画にもなったそうだ。例によって、映画は後回し。これまでのところ、田舎の閉鎖的なところや、とんでもなく保守的で底意地の悪い牧師などがよく描かれている。

私は、読まなかったのだが、連れ合いが読んだ In the Cut Susanna Moore 著 をベースにした映画を見に行った。連れ合いが読み終えたときに「こんなに救いようの無い結末の本は久しぶりだ。それにすごく暴力的だ。」と言ったので、そんなものは読みたくないよー、と思っていたのだが、映画はJane Campion監督だったし、批評もヨカッタので、行ってみた。結末が変えてあるとのことで、それほどひどい話だとも思わなかった。話の内容よりも、映像のおもしろさと、主人公を演じたMeg Ryanがよかったと思う。

2003年9月20日

Artemis Fowl - The Arctic Incident Eoin Colfer 著 読了。1巻におとらず、ハイテクを駆使し、アルテミスの頭脳がさえる話で、楽しませてもらった。ちょうど読み終える頃に、書店で3巻の Artemis Fowl - The Eternity Code Eoin Colfer 著 の安売りを見つけてしまったので、そのまま購入し、読み始めた。まだ読み始めたばかりで、これまでの2巻と同じ水準で楽しませてもらえるかどうかはわからない。

2003年9月15日

エミリー・ロッダのローワンシリーズを読了した。5巻は、これまでと話のパターンが同じではあったが、思いもかけないエンディングで最後まで楽しませてくれた。ローワンの後は、そのままファンタジー路線を突っ走って Artemis Fowl - The Arctic Incident Eoin Colfer 著 を読み始めた。これもまたシリーズもので、第一作の Artemis Fowl 同様、軽快なテンポて話が進み、アルテミスの怪童ぶりも健在だ。キャプテン・ホリー、コマンダー・ルートなどなど、馴染みのメンツで楽しませてくれている。

2003年8月25日

8月に入って、エミリー・ロッダのローワンシリーズを読んでいる。全5巻で、4巻読み終えた。最後の巻 Rowan of the Bukshah Emily Rodda 著 (Omnibus Book from Scholastic Australia 2003) は、読み始めたばかり。話のパターンは、どの巻も同じだが、ロッダの作る世界のイメージは、どれも鮮明で自分で挿し絵を書いてみたいと思わせる場面が多々ある。

平行して、 「探偵たちの食卓」 前島純子著 (早川書房 1988) を読んでいる。長くかかった Letters from Thailand は、ようやく読み終えた。借りた手前最後まで読んだわけだが、好んで読むような本ではない。

2003年8月7日

転職騒ぎでしばらくホームページ更新がおろそかになってしまったが、この間に2冊読み終えた。 Harry Potter and the Order of Pheonix J K Rowling 著 (Bloomsbury 2003) と、 「素顔の国際結婚」 国際結婚を考える会編 (The Japan Times 1986) だ。

浮気している間ちっとも進まなかった Letters from Thailand をまた読み始めた。一気に読めないのは、やはり、それほどおもしろくないということか?ただ、借りた手前最後まで読んで感想を述べたいと努力している。

2003年6月18日

Letters from Thailand をまだ継続中。子供たちが少し大きくなって、末の女の子を「女の子なのに」かわいがってしまう自分を不思議に思う主人公に笑ってしまう。大きな期待を寄せている長男は、いっこうに才能の伸びる様子もなく、3人の娘達のほうがずっと個性的で頭もいいと来ている。タイ人から蔑みの目で見られたり、差別の言葉を浴びせられたりする場面もいくつかあり、自分自身の経験と重ねてみたりする。

「親業」の教科書 P.E.T. - Parent Effectiveness Training も半ばまで来た。理論を実践に移すのは、なかなか大変だといういうことを身にしみて感じている。日本でもホームページが開設されていることを知った。親業というので、いろいろな親子の問題の症例なんかも出ているようだ。

2003年5月31日

近所のタイ人から借りた Letters from Thailand を継続中。中国からの移民一世である主人公の価値観と、変わりゆくタイ社会、華僑社会の価値観がいろいろ交差している。それにしても、この中国人の女性蔑視はすごいものがある。女は教育など受ける必要がないという一点張りで、1950年代の中国人男性というのは、こういう考え方をしていたのか!?と驚愕。同時に、文化革命で祖国の状況がわからない主人公の不安など共感できるところもある。貸してくれた隣人は、「小説の形をとっているが、これは実話。」と言い切った。

ここのところ「親業」を教えるコースに通っていて、そのコースの教科書である本 P.E.T. - Parent Effectiveness Training Thomas Gordon 著 (Three Rivers Press 1970) も同時進行で読んでいる。これがなかなかぐさぐさとくる本で、子供の気持ちなど考えていない自分を反省している。しかし、この本に書いてあるような子供との接し方、話し方は、自然に身につくようなものでもなく、これから相当訓練していかないと身につくものではないだろう。この「親業」に関するコースは、世界各地にあり、日本でもやっている。

2003年4月15日

ようやく the tale of murasaki を読了。実に読みやすい本で、終わってみれば、特に新しく学んだことはないと思うのだが、英語で読む日本の平安貴族社会というのがなかなか不思議な感じでおもしろかった。

友達から借りた 「ここに地終わり海始まる」 宮本輝著 (講談社 1991) は、上下巻を一気に二日で読んでしまった。やっぱり、日本語で読むほうが何倍も速い。本の宣伝文句は「爽やかな感動を呼ぶ、恋愛長編!」とあるのだが、なんだかちょっと違うような気もした。

メーリングリストで教えてもらった青空文庫というサイトからダウンロードした 「竜潭譚(りゅうたんだん)」 泉鏡花著 をバスの中で読んだ。当初泉鏡花を横書きで読むというのに、非常な抵抗感があったのだが、慣れというのは、恐ろしいもので、そのうち苦にならなくなった。鏡花らしい摩訶不思議な世界だった。

現在は、近所のタイ人から借りた Letters from Thailand (Duang Kamol 1994) を読書中。貸してくれたタイ人曰く「これは、私のことを書いたような話。泣けるよー。」彼女もそうだが、主人公は、中国系タイ人。2つの文化の狭間でゆれるところが彼女の話なのかどうかは、まだよくわからない。

2003年3月25日

昨日のアカデミー賞で、 The Hours の二コール・キッドマンが主演女優賞を獲得していた。日本語のタイトルは 「めぐりあう時間たち」 というのだそうだ。前にも書いたように、キッドマンの演技がそれほど良かったとは思わないが、別の映画で去年アカデミー賞候補にあがりながら逃した経緯があるそうなので、そういうことも含めての賞なのだろう。

The Lord of the Rings - The making of the movie trilogy を読み終えた。まだ公開されていない第3話のことも出てきたので、また年末が楽しみになった。平行して指輪物語ー旅の仲間のDVDを見たので、本と重複する部分もあり、視点が違っておもしろかった。 the tale of murasaki もまだ継続中。清少納言と対面するところがあり、なかなかおもしろく読んだ。

2003年3月18日

先週、話題の映画 The Hours を見に行った。Michael Cunnighamの原作は、それほどおもしろいとも思わなかったが、映画のほうは、なかなか良かった。二コール・キッドマンのヴァージニア・ウルフは、綺麗すぎたし、あまり知性を感じさせるものではなかったけれど、ジュリアーン・モーアのローラ・ブラウンとメリル・ストリープのクラリサは、こっちのほうが賞をもらってもいいんじゃない、というくらいなかなかの出来だったと思う。いくつかの場面でのカメラ・ワークが新鮮で、本を読んだときにはあまり印象に残らなかった場面がかえって心に残ったりした。実に悲しい映画なのだけれど、今を大切にしようという妙にポジティブな気持ちになった。

the tale of murasaki も継続中。紫式部が藤原道長に請われて「現代的」な和歌とは、などと考え始めるところにさしかかっている。しかし、1000年前の人間の「現代的」感覚なんてわからないよなぁ、とちょっと無理を感じたりもした。紫式部が考える「現代的」和歌と「古典的」和歌が両方ともローマ字で書かれているところにもどかしさを感じるので、そのうちネットで漢字ヴァージョンを探してみることにしたい。平行して The Lord of the Rings - The making of the movie trilogy Brian Sibley 著 (Harper Collins 2002) を読んで(見て?)いる。映画の制作過程を写真とともに紹介する本だが、映画作りのテクニックやら、裏方の苦労話などがおもしろい。役者のことはあまり出てこない。

2003年3月3日

まだまだ the tale of murasaki 継続中。半分くらいまできた。ちょうど紫式部の夫が亡くなって、喪に服しているところだ。読みやすいのでさらさら読める。読みにくいのは、ローマ字になった紫式部の和歌だ。英語訳を読まないとわけのわからないものもある。漢字は偉大だ、とつくづく思った。紫式部の日記が入手できるものなら、次はそれを読んでみたいと思う今日このごろ。

2003年2月16日

クリスマスプレゼントにもらった the tale of murasaki Liza Dalby 著 (Vintage 2001) を読書中。紫式部の日記に源氏物語をミックスして紫式部の私生活を描いた小説だが、このLiza Dalbyという人は、日本で芸者をやったこともあるそうな。こういう小説を英語で読むというのもなんか変な話なんだが、結構おもしろい。源氏物語は(大和和紀のコミックスも含めて)何度が読んだことがあるが、次回読むときは、紫式部自身がどこまで源氏物語に含まれているのだろうかなんて想像しながら読むことになるのだろうな。