Story Tree

山火事被災以来この地域の有志が集まって作っているグループがあります。そのグループの活動の一環としてStory Treeプロジェクトというのが発足しました。地域の公園に隣接する木に山火事を語る木になってもらおうというものです。

Story Treeの始まり

StoryTreeに選ばれた木

山火事がひとつだけいいものを残してくれました。それは、この地域の住民がお互いによく知り合うことができたということです。同じ山火事に遭遇していたという妙な連帯感があるのです。もちろん、普段の生活にそれほど変わりはないのですが。山火事被災後すぐに発生した住民グループがあり、我々もしばらく会合などに出ていましたが、最近はお知らせが回ってくるのに目を通しているだけです。そのお知らせに、公園のそばにある木に山火事に関する「物語絵」を彫るプロジェクトが政府の許可を得たとありました。何か山火事のことを記録に残したいという気持ちがこのStory Treeに結びついたのでしょう。

先日子供たちと公園の傍を通ったら、もう木には彫刻がされているではありませんか。幹に大きな穴が開いています。そのまわりにも少し彫り物がしてありました。「ウォンバットの穴みたいだね。」という子供たち。穴に入りたそうでしたが、周りには柵がされています。入りたくなりますよね、子供だったら。

穴の開いた木の幹

2週間後の木

枝がはらわれた木

上の写真から2週間して、今日また傍を通ったところ、今度は木がずいぶん小さくなってました。落ちそうな枝などを取り払ったのだそうです。また上のほうではがれていた木の幹などもきれいにされていました。この木には鳥がいくつも巣を作っていたのですが、巣はなるべく残すほうこうで作業がされたそうです。

今日行ったときは、丁度彫刻を彫っているおじさん2人が作業しているところでした。真ん中の大きな穴には、タイムカプセルのように山火事に関する「物」入れるそうで、金属製の扉がつけられるようです。扉のほうには今のオーストラリアをモチーフにした図柄で、反対側はまだデッサンしかありませんでしたが、アボリジニーの時代を反映した図柄になるそうです。この彫刻、あと5ヶ月かかって完成する予定なのだそうです。幹の下のほうばかりでなく、かなり上のほうまで彫るそうで、子供たちに「ノミと金槌で彫ってみたかったらちょっとやってみてもいいよ。」と言ってくれました。それに触発されてか、末っ子は家に帰ってきてからノミと金槌をもちだして2時間ほど「彫刻」してました。

木を彫るおじさん